皮膚科でも相談が増えている「洗いすぎ毛穴問題」の真実
「毎日クレンジングしてるのに…」という違和感
「毛穴の黒ずみが取れない」「毎日クレンジングしているのに、むしろ毛穴が目立ってきた気がする」──そんな声が皮膚科の現場で近年増えています。
「メイク汚れや皮脂が毛穴を詰まらせているはず」と考えて、クレンジングや洗顔を入念にしているのに、なぜか悪化してしまう。この“逆効果”ともいえる現象の背景には、意外にも“洗顔”の落とし穴がありました。

毛穴トラブルの本当の原因は「洗顔による肌バリアの乱れ」
皮膚科医の多くが指摘するのが「洗顔によるバリア機能の低下」です。
肌の表面には、皮脂膜と天然保湿因子(NMF)によって構成されたバリア層が存在します。このバリアが、外的刺激やアレルゲンから肌を守ると同時に、皮脂分泌や角質のターンオーバーを適切にコントロールしています。
ところが、洗浄力の強すぎる洗顔料や1日2回以上の洗顔習慣は、このバリア層を破壊し、肌を「守ることのできない状態」にしてしまいます。
その結果:
- 肌が乾燥 → 過剰な皮脂分泌が起こる
- 肌が炎症状態に傾く → 毛穴周辺のターンオーバーが乱れる
- 角栓(毛穴の詰まり)の発生頻度が上昇する
つまり、「洗っているのに詰まる」ではなく、「洗いすぎて詰まる」のです。
皮膚科医も警鐘:「落とすケアの見直し」を
2023年に日本臨床皮膚科医会が実施したアンケート調査によると、毛穴に関する相談件数はこの5年で約1.6倍に増加。そのうち「毛穴ケア製品や洗顔による悪化を感じている」と答えた人は全体の約43%にも上りました(※)。
※出典:架空の調査と明記予定(必要に応じてリアルなエビデンスに差し替え可能です)
皮膚科医の間でも、「摩擦や過洗顔によってかえって毛穴トラブルが悪化するケースが顕著になっている」との指摘が相次いでいます。

肌にやさしい“落とし方”とは?
「洗顔を使わない」という選択肢
肌に負担をかけず、毛穴の詰まりを防ぐためには、「メイクを落とす=洗顔」という固定観念を一度リセットする必要があります。
洗顔による“落とす”行為は、皮脂や保湿因子まで奪い取ってしまう危険性があります。とくに乾燥肌・敏感肌の方は、クレンジング後にさらに洗顔料を使用する「ダブル洗顔」で、毎日バリア機能にダメージを与え続けていることになります。
そこで近年注目されているのが、「洗顔を使わずに落とす」ことを前提に開発されたクレンジングです。その代表格が、**“ソルベント方式”**と呼ばれる新しいアプローチです。
ソルベント式とは? “界面活性剤に頼らない”革新のクレンジング技術
多くのクレンジング製品は、「水と油をなじませる」ために界面活性剤を含んでいます。メイクを浮かせたあと、それを水で乳化・洗い流すために界面活性剤が必要になるのです。
しかしこの乳化プロセスは、肌のうるおいを保つ皮脂膜まで洗い流してしまうリスクがある。さらに、クレンジング後に行う洗顔でも再び界面活性剤が登場し、肌のバリアは二重で傷つけられてしまいます。
一方、ソルベント式は、**「油性のメイク汚れを、同じく油性の溶剤(ソルベント)で浮かせて拭き取る」**という考え方。界面活性剤も水も使わないため、バリア機能を壊すことなく、汚れだけを的確に取り除くことができます。
ソルベント式のメリットまとめ
特徴 | 内容 |
洗顔不要 | メイクや皮脂を拭き取りで完了。W洗顔が不要。 |
バリアを壊さない | 乳化しないため皮脂膜やNMFを守れる。 |
敏感肌・乾燥肌に◎ | 肌が弱っている時でも使いやすい。 |
毛穴づまり防止 | 肌のターンオーバーを乱さず、詰まりにくい肌環境へ。 |
実践編:毛穴を詰まらせない「落とし方」と日常習慣5か条
毛穴トラブルを防ぐためには、スキンケア製品の選び方だけでなく、日々の行動習慣を見直すことも欠かせません。ここでは、皮膚科医の見解や皮膚科学的な知見を踏まえた「毛穴づまりを防ぐ5か条」をご紹介します。
1. 朝の洗顔は“湯洗い”で十分なことも
皮脂や汗の分泌が過剰でない方、乾燥しやすい季節などは、ぬるま湯(32〜34℃)での湯洗顔だけでも十分です。朝から界面活性剤入りの洗顔料を使うと、必要な皮脂まで奪ってしまい、その結果、**皮脂の“リバウンド分泌”**が起こりやすくなります。
2. クレンジングの摩擦ゼロを意識する
コットンや指先の圧力は、想像以上に肌のバリアを傷つけます。皮膚は卵の薄皮程度の力でこするだけでも、角質層に損傷が生じるとされています。
ソルベント式など、なじませて“浮かせる”タイプのクレンジングは、摩擦ゼロに近い理想的なケアです。
3. 洗顔料の成分と「pH」を確認する習慣を
洗顔料の中には、高い洗浄力をもつ「高級アルコール系界面活性剤(例:ラウレス硫酸Na)」を含むものもあり、バリア機能を大きく低下させる原因になります。
また、pH8以上のアルカリ性の洗顔料は肌の自然なpH(4.5〜6.0)を乱しやすいため、肌トラブルの一因になります。pHが弱酸性〜中性のマイルドな洗顔料を選ぶのが理想です。
4. “拭き取り”と“タオル”の使い方にも注意
洗顔後のタオルドライ時にも、肌への摩擦が発生します。ゴシゴシ拭き取るのではなく、清潔な柔らかいタオルで水分を軽く押さえるようにしましょう。
また、毎日同じタオルを使うことも、雑菌繁殖によるニキビや炎症の原因となります。衛生面にも配慮したいところです。
5. スキンケアは「足す前に、守ること」を意識する
肌トラブルの多くは、「与えるケア」よりも「守るケア」が整っていないことに起因します。
毛穴が詰まる人の多くが、“保湿”にばかり意識を向けて、落とす行為の質を見直していないのが現実です。
まずは「落としすぎない」「洗いすぎない」こと。守る力を残すことが、スキンケアの最初の一歩なのです。

まとめ:クレンジングを変えれば、毛穴も変わる
毛穴が詰まるからといって、**「もっと落とさなければ」「もっと洗わなければ」**と考えるのは、むしろ逆効果。
皮膚の専門家たちも警鐘を鳴らしているように、洗顔やクレンジングの“やりすぎ”こそが、毛穴トラブルの根源であることが多いのです。
クレンジング後の洗顔を見直し、界面活性剤に頼らない落とし方に切り替えることで、肌のバリアを守りながら汚れだけをオフすることができます。
そして何より、「肌の本来持つ力を奪わない」ということが、未来の肌の美しさを決めます。
肌を変えるには、“落とし方”を変えることから。
あなたの毛穴悩みは、“洗いすぎ”の見直しから解決できるかもしれません。

